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野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
山西 敏彦
プラズマ・核融合学会誌, 92(1), p.21 - 25, 2016/01
核融合炉トリチウム燃料システムでは、燃料としての重水素及びトリチウムの精製と、不純物としての軽水素の除去、炉で生じたトリチウム水からのトリチウムの最終的回収のために、水素同位体分離系が必要である。この水素同位体分離系では、比較的大流量の処理量を確保すると共に、軽水素中のトリチウムを低濃度にまで(環境放出レベル)下げるために高い分離係数が必要である。よって、大流量,高分離係数、両者を満たすことが可能な深冷蒸留塔が採用されている。また、深冷蒸留法は、カナダ及び韓国の重水炉において、重水からのトリチウム回収の最終プロセスとしても採用されている。ここでは、深冷蒸留塔の分離原理、これまでの研究開発状況、今後の課題について記述する。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.127 - 134, 2005/06
動力試験炉(JPDR)の放射化金属廃棄物のうち、ASTM A302Bを母材とする圧力容器とSUS304を母材とする炉内構造物について分留特性について、ラングミュアの方程式とヘンリーの法則を組合せることにより、廃棄物の蒸発速度の数値解析を行った。その結果、いずれの場合もEu, Eu, CとNbについては、分留によってクリアランスレベル以下に減量できると計算された。また、ASTM A302Bについては、77年の冷却期間の後、 Mn, Fe, Co, NiとNiについてもクリアランスレベルを満足することがわかった。一方、SUS304の場合は、クリアランスレベルを満足させるためにはNiとNiを同位体分離を用いて除去する必要があることがわかった。
加藤 徹也*; 飯塚 政利*; 井上 正*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Materials, 340(2-3), p.259 - 265, 2005/04
被引用回数:24 パーセンタイル:81.17(Materials Science, Multidisciplinary)溶融塩電解精製で回収した、ウランを2.9wt.%、プルトニウムを8.7wt.%含むウラン-プルトニウム-カドミウム三元合金中のカドミウムを蒸留して、ウラン-プルトニウム二元合金を得た。約10gの三元合金を用い、蒸留は減圧下で行った。1073Kで蒸留した後の回収物中のカドミウム残留量は0.05wt.%未満であり、物質収支もよく一致した。回収物は緻密なウラン-プルトニウム二元合金であることを、SEM観察で確認した。また、蒸発したカドミウムのほぼ全量を回収することができた。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
RIST News, (39), p.23 - 31, 2005/03
原子力施設の解体等により発生する放射化金属廃棄物中に含まれる極微量の放射性核種を除去し、放射性廃棄物の量を削減するために、原子ビーム状に蒸発させた金属の分留とレーザー照射による核種除去を組合せた分離方法の研究を行っている。現在、金属の分留特性を把握するためにHenryの法則をLangmuirの式に適用した簡単なモデルを用いた解析コードを作成し数値解析を行っている。この解析コードにより、超々ジュラルミン(アルミニウム合金7075:Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu-0.25Cr)の蒸発について解析したところ実験とよく一致する結果が得られた。さらに、本解析コードを用いて、動力試験炉(JPDR)から排出されたSUS304を母材とする炉内構造物について分留特性の解析を行った結果、1/100以下に減量できる可能性を示すことができた。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
JAERI-Research 2004-012, 12 Pages, 2004/08
おもにステンレスから構成されるJPDR金属廃棄物を対象に02500Cまで200C/hで昇温する場合の分留特性の数値解析を行った。解析モデルはHenryの法則をLangmuirの式に適用しRunge-Kutta法を用いて解析した。その結果、Eu及びC, Nbは分留によって除去できることが示された。Mn及びFeについては、30年程度の冷却によって放射能をクリアランスレベル以下に低減できる。したがって、NiとCoをレーザーによって除去することにより、放射化金属の廃棄物量を1/100以下にできる可能性があることが明らかになった。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
日本金属学会誌, 68(3), p.181 - 184, 2004/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Metallurgy & Metallurgical Engineering)われわれは、原子力施設の解体等により発生する放射化金属廃棄物中の極微量の放射性核種を除去するために、金属の分留とレーザー照射を組合せた分離方法の研究を行っている。その第1段階として、超々ジュラルミン(アルミニウム合金7075: Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu-0.25Cr)の分留特性の測定と数値解析を行った。実験では378.7mgのジュラルミンを抵抗加熱蒸発装置により200K/hの昇温速度で1773Kまで加熱し、蒸発させ、四重極質量分析計でイオン電流を記録することにより分留特性を測定した。数値解析はHenryの法則をLangmuirの式に適用し、Runge-Kutta法を用いて解析した。その結果、分留特性は実験と数値解析がよく一致し、ジュラルミンからAlとZn, Mgを分留できることを示した。
赤岡 克昭; 丸山 庸一郎
JAERI-Research 2003-022, 16 Pages, 2003/10
超々ジュラルミン(アルミニウム合金7075:Al-5.6Zn-2.5Mg-1.6Cu-0.25Cr)の蒸留特性の測定と数値解析を行った。実験では378.7mgのジュラルミンを抵抗加熱蒸発装置により200C/hourの昇温速度で1500Cまで加熱し、蒸発させ、四重極質量分析計でイオン電流を記録することにより蒸発特性を測定した。シミュレーションはRaoultの法則をLangmuirの式に適用し、Runge-Kutta法を用いて解析した。その結果、蒸留の特性は実験とシミュレーションがよく一致し、蒸留によりジュラルミンをAl, Cu, CrとZn, Mgの2つの群に分離できることを明らかにした。これらの結果、蒸留による元素分別を用いた放射性廃棄物の減量が可能であることを示された。
岩井 保則; 山西 敏彦; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 西 正孝; Willms, R. S.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(6), p.661 - 669, 2002/06
被引用回数:14 パーセンタイル:65.6(Nuclear Science & Technology)ITERの燃料循環システムでは、水素同位体分離システム(ISS)を構成する深冷蒸留塔内にトリチウムの大部分が滞留することが予想されている。そのため、高い精度を有するISS内水素同位体滞留量解析評価手法が安全確保の観点から強く求められている。ISS内のインベントリー評価手法の確立のために日米協力のもと、ロスアラモス研究所トリチウムシステム試験施設の有するITER規模の深冷蒸留塔を用いた実験を計画し実施した。この結果を評価し、今回提案した数値解析評価手法により深冷蒸留塔内の水素同位体滞留量を精度よく評価できることを確認し、本手法がITER規模の深冷蒸留塔に有効であることを明らかとした。本手法の精度は塔内の濃度分布に依存せず、特に重水素の液ホールドアップ率は塔の形状の違いにほとんど影響されないことを見いだした。またITER規模の深冷蒸留塔では液の滞留量に対してガスの滞留量も無視できないことを見いだした。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝
JAERI-Tech 2001-027, 29 Pages, 2001/03
核融合実験炉ITER-FEAT設計作業の一環として、先に設計されたITERの規模縮小に基づく処理流量の減少に対応した水素同位体分離システム(ISS)の概念設計の予備的検討を行った。ISSには三種類のガス流が供給され、深冷蒸留法により高純度トリチウムガス流,高純度重水素ガス流及び軽水素ガス流が生み出される。本報ではシステムの簡略化とITER-FEATの運転シナリオを考慮し、4塔からなる独自の塔構成にISSを提案した。ISS内の最大トリチウムインベントリーについては、運転条件に対応して定まるペレット用のトリチウム濃縮流の検討の進展による低減の可能性を見いだした。また現状の塔構成では環境に排出する軽水素排ガス中のトリチウム濃度がISS運転中に加わるわずかな流量変動によって容易に変動する可能性を指摘し、この流れに対する2塔システムの対策を提案した。
岩井 保則; 山西 敏彦; 奥野 健二; 横川 伸久*; 土屋 宏行*; 吉田 浩; O.K.Kveton*
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(12), p.981 - 992, 1996/12
被引用回数:28 パーセンタイル:89.28(Nuclear Science & Technology)ITERスケールの核融合炉用に、水蒸留塔と気相触媒交換塔の組み合わせと水蒸留塔と電解セルを組み込んだ液相触媒交換塔の組み合わせの水処理システムの設計をおこなった。前者のシステムでは水蒸留塔のトータルな高さは106cmとなる。対して後者のシステムでは水蒸留塔は20m、CECE塔は24mとなる。水蒸留塔が大きいことは、建設コストとインベントリーが増えることを意味している。しかし前者は実スケールでの運転操作実績を持っているのに対し、後者ではCECE塔はおこなわれていないのが現実である。このことから、前者を核融合炉用水処理システムの第一候補とするのが現状では妥当であると考えられる。しかし水蒸留塔とCECE塔の組み合わせは柔軟な設計が可能で、コスト、インベントリーの観点からも優れていることから、研究が進めば将来の核融合炉用水処理システムになると考えられる。
内山 軍蔵; 前田 充; 藤根 幸雄; 天川 正幸*; 内田 勝秀*; 千田 充久*
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(3), p.228 - 239, 1994/03
被引用回数:8 パーセンタイル:60.22(Nuclear Science & Technology)再処理工場から発生する蒸留残渣などの廃溶媒はTRUを含有する有機廃液である。その処理技術として液中燃焼法を中心に試験研究を実施した。本報告では、廃溶媒の燃焼挙動及び燃焼生成物(リン酸、ルテニウム、ヨウ素、ジルコニウム及びランタノイド化合物)の装置内移動挙動などについて述べる。試験の結果以下のことが知られた。(1)廃溶媒は液中燃焼法により処理することができる。(2)液中燃焼法を共沈法、固液分離法及びガラス固化法と組合せることにより、廃溶媒をそのまま有機ポリマーを用いて固化体化した場合に比べてTRU固体廃棄物の発生量を大巾に減少できる。
内山 軍蔵; 前田 充; 千田 充久*; 藤根 幸雄; 桐島 健二*; 平林 輝彦*
Proceedings of 4th International Conference on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management; RECOD '94, Vol.3, 0, p.1 - 15, 1994/00
液中燃焼法、リン酸ビスマス共沈法及び膜分離法などから構成される新しい廃溶媒処理プロセスを提案した。同プロセスはTRU廃棄物の固定化及び減容化を考慮したプロセスであり、その有効性を実験的に検討した。さらに同プロセスの大型再処理施設(800トン/年)への実用化性を評価するため、取得実験データを用いて廃溶媒処理施設の概念設計検討を行った。さらにそれらの結果をもとに、TRU廃棄物等の発生量評価及び経済性予備評価を行った。
内山 軍蔵; 前田 充; 藤根 幸雄; 千田 充久*; 桐島 健二*
JAERI-M 93-213, 204 Pages, 1993/10
超ウラン核種を含有する蒸留残渣等の廃溶媒の処理プロセスとして提案した液中燃焼法を中心とするプロセスについて、処理施設の概念設計及び予備コスト評価を行った。また、これらの結果に基づいて安全性等の技術の特質、TRU廃棄物の低減効果、経済性等の評価を行い、併せて実用化上の重要課題を整理した。その結果、2次プロセス廃液を全く排出しない単純な処理・固化システムを達成し得ること、TRU廃棄物の発生量を競合技術(乾留固化法)に比べ数10分の1以下に低減できること、建設費は再処理施設全コストの1%以下の小さな値に止め得ることなどを明らかにした。また、TRU核種を分離したリン酸カルシウム系低レベル廃棄物については、一時貯蔵、輸送時の安全性、遮蔽負担を考慮するとTRU核種とともに・核種の除染をより積極的に考慮する必要があることなどを確認した。
内山 軍蔵; 前田 充; 藤根 幸雄; 天川 正幸*; 内田 勝秀*
JAERI-M 93-191, 58 Pages, 1993/10
再処理工場から発生し、TRU元素を含有する廃溶媒を分解して無機化する技術として液中燃焼法を取り上げ、同法について廃溶媒処理技術としての適用性を評価するために必要な放射性核種の燃焼挙動などのプロセスデータを取得した。実験にはベンチスケール規模(処理量:1.39l/hr)の液中燃焼実験装置を用いた。本報告書では、(1)リン酸トリブチルとノルマルドデカンとの混合物からなる模擬廃溶媒の燃焼挙動,(2)模擬廃溶媒に添加したルテニウム及びヨウ素等の燃焼・移行挙動などについて述べる。
奥野 健二; 榎枝 幹男; 井手 隆裕*; 福井 裕*; 吉田 浩; 成瀬 雄二; Anderson, J. L.*; Bartlit, J. R.*; Sherman, R. H.*; R.V.Carlson*; et al.
JAERI-M 90-028, 73 Pages, 1990/02
本報告書は、日米協力Annex IVに基づいて1988年7月に米国ロスアラモス国立研究所のトリチウム試験施設(TSTA)において実施されたTSTA共同ループ試験の結果をまとめたものである。本共同ループ試験の主要目的は、DOEによる技術安全審査委員会(TSA)に対してTSTAシステムの安全性を示すことにあった。試験は安全かつ成功裏に終了した。また、本試験において多くの技術的成果も得られた。特に、水素同位体分離システムの制御およびその分離特性に及ぼすヘリウムの影響に関しては重要な知見が得られた。
木下 正弘; 山西 敏彦; J.R.Bartlit*; R.H.Sherman*
Fusion Technology, 10, p.137 - 148, 1986/00
Hガスの流れを充填部の最上端付近に加えるという発想により、流下液膜式ヘリウム分離塔の特性が大幅に改良されている。充分に短い充填部(TSTAの入力条件下では1.4m)で、塔頂を出るトリチウムの流量は極端に小さく抑えることができ(0.2Ci/y)、しかも圧力は1atmまで下げることができる。冷凍部の仕様の決定用として、ColburnとHougenの方法を用いた1つの設計モデルを提案し、ヘリウムの存在が設計手順をいかに複雑化するかを示す。制御方式の提案も行い、深冷蒸留塔の制御方式との違いを明らかにする。冷媒ガスの入力条件を変化させても解消できない圧力上昇は、塔頂ガスの流量を増加させることによって取り除く。塔頂ガス中のトリチウム濃度は、上記のHガスの流量によって制御する。
木下 正弘; 吉田 浩; 竹下 英文
Fusion Technology, 10, p.462 - 473, 1986/00
トリチウム増殖ブランケットシステムにおいて必要とされている、ヘリウムパージガスへのHまたはD添加が、水素同位体分離システム(ISS)にいかなる影響を及ぼすかについて、FERの設計条件下において解析した。上記の添加によって、燃料給排気系におけるISS(塔数2,T-インベントリー約70g、所要冷凍能力110W)以外に、ブランケットシステム用に別のISSが必要となる。必要なISSの規模は、H添加を用いる場合の方が、D添加を用いる場合よりもはるかに小さくて済む。H添加によってトリチウム濃度が100倍に希釈されるとき、塔数、T-インベントリー、所要冷凍能力は各々2、8g、65Wとなり、1000倍に希釈されるときは、各々3、12g、630Wとなる。この結果から考えると、上記1000倍希釈までのH添加なら、ISSにおいて特に深刻な問題は生じない。、
木下 正弘
Fusion Technology, 9, p.492 - 498, 1986/00
水素精留塔の動的シミュレーションにおいては、基本となる常微分方程式が非常に大きな次元及び「堅さ」を有するため、長大な計算時間が大きな問題となることが多い。著者は、現有の積分アルゴリズムをレビューし、そのうちのいくつかをテストすることにより、安定性及び簡便さの点からBallard-Brosilowのアルゴリズムを選定した。このアルゴリズムを用いると、各ステップにおいて、線形の三項方程式を解くこととスカラー沸点計算が必要であるに過ぎない。いくつかの数値実験をもとに、時間きざみの大きさをシミュレーションの過程で修正してゆく手順を提案した。1つの定常状態から他の定常状態に移る過程を対象とする典型的な例においては、例えば改良オイラー法に比べると約百分の一の計算時間において十分な精度で数値解が得られた。
木下 正弘; 奥野 健二
JAERI-M 85-157, 19 Pages, 1985/10
D-DT-T系の相対揮発度は1に近い(D-DT,DT-Tのそれは1.1から1.3の範囲にある)ため、相対揮発度の小さな誤差も、深冷蒸留塔で規定された出力条件を満たすのに必要な段数の計算値の大きな誤差に結びつく。このように、非理想性(あるいは、ラウールの法則からのずれの大小)は、塔の解析研究にきわめて重要である。SherwoodとSouersは、水素同位体溶液のラウールの法則からのずれの推定法を提出しているが、トリチウムを含む溶液に対しては、推定値は実測値よりもかなり小さい。彼らは、トリチウムのX線によって温度センサーが影響を受け、その理由のみから、ずれが実際よりも過大に観測されてしまうのだと結論している。著者らは、この結論に疑問を投げかけ、トリチウムの放射化学的効果によっても、ずれがより大きくなるのではないかという新しい考え方を提示すると共に、若干の考察を行った。